こちらの海、近畿大学水産研究所がある和歌山県東牟婁郡串本町大島の海です。
本州最南端の町・串本町は太平洋に面し、気候も温暖。
この温かくてきれいな海で育ったマグロを使って、パンを作っただと!?
こんにちは。
和歌山で生まれ育って42年、生粋の和歌山県民のきゃろたまです。
2018年2月1日、第一屋製パンさんと近畿大学水産研究所がコラボレーションしてつくった「和風焼きカレーパン」が発売されました。
もしかして、近大マグロの切り身が入っている??
なぜ揚げカレーパンじゃなくて、焼きカレーパンなの??
こんな疑問に、第一屋製パン株式会社の佐藤さんと近畿大学広報室の坂本さんが、答えてくれました。
商品開発から販売まで8か月かかった!
(左:近畿大学広報 坂本さん、右:第一屋製パン 佐藤さん)
第一屋製パンさんでの開発期間は、通常2か月ほど。
しかし、この近大マグロの中骨だしを使ったカレーパン。開発から販売まで8か月かかってしまったとのこと。
その間、試行錯誤の連続。
まず、近大マグロの切り身を入れるとなると、販売価格を400円にしないといけないので、切り身を入れることを断念。
そして、魚独特の臭みをどうするか、そして切り身にかわって使えるところはないだろうか…。
ある日、近大さんがマグロの皮を使って財布を作ったことを知って、 いまだ食材として活用されていない「中骨」を使うことを思いつきます。
来る日も来る日も、近大マグロの中骨をかき集め、その骨を粉末状に加工、具材に練りこむことに。
魚の臭みを消すために、スパイスをふんだんに使うことを思いつきますが、これではただの辛いだけのカレーパンになってしまう…。
そこで、和風カレーうどんをイメージして、さらに開発を進めます。
通常カレーパンといえば、油の中でカラッと揚げた「揚げカレーパン」。
しかし、油が魚の旨みまで消してしまうという予想外の展開に!
そこで、揚げカレーパンからオーブンでじっくり焼いた「焼きカレーパン」に路線変更。完成を迎えます。
街のパン屋さんでは、香ばしいにおいを店頭で感じることができますが、いかんせんスーパーのパン売り場での販売となると、こうはいきません。
そこで、パッケージでもマグロ感を出すために、あえてパン業界ではあまり使わない「青色」で勝負に出ることに…。
やや薄めのパン生地なので、具の食べ応えがあります。そして、たしかに魚の香ばしさが口の中に残ります。
(実は不覚にも食べてしまってから写真を撮っていないことに気づくという失態を…)
近大マグロはこんなところで育ってます!
さて、近畿大学が海のダイヤ「クロマグロ」の完全養殖に着手したのは、今から48年前の1970年。
完全養殖とは、一度海から獲ってきた稚魚をいけすで育て、成魚を産卵させて、その卵をふ化させて次の世代を作っていくという技術です。
2002年にクロマグロの完全養殖に成功、現在近大マグロは「近畿大学水産研究所大阪店・銀座店」の2か所で食べることができます。
和歌山方面からですと、国道42号線の潮岬東入口信号を右折して、1㎞ほど進むと左手に円形のいけすが見えてきます。
串本町を訪れる機会がありましたら、ぜひ見てください!
<2018年3月3日~4日に行われた塩谷舞さんのWEBライティング講座の授業の取り組みとして作成しました。塩谷舞さん、第一屋製パン佐藤さん、近畿大学広報の坂本さん、ありがとうございました。>