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しんどいオッサンは情報化社会が生み出したモンスターだ

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先日Twitterで見かけた「しんどいオッサン」というワードが頭から離れない。

しんどいオッサンとは、ライターとして活躍されている吉川ばんびさんのブログでこう定義されている。

 

しんどいオッサンとは、『気に入った特定の女性に対し、SNS上やメール等で「おはよう😊今日は、休日なので、朝からコーヒーを飲みながらのんびり過ごしています(^-^)/○○ちゃんは、もう起きてるかな?もしかして、寝坊してたりして😝もうお昼前だぞ?(笑)今日も、○○ちゃんらしい良い1日になりますように♥応援してるからね♪」など、死ぬほどどうでもいい報告や連絡を頻繁にしてくるオッサン』の総称である。 

(原文は絵文字混じりである)

若手女性社員にしつこく連絡してくる「しんどいオッサン」の話 - 妄想と現実のあいだにはさまりがち

 

かつてわたしもしんどいオッサンメッセージを送ってしまったことがある。

しかしいろいろ人間関係で失敗していくうちに自分はしんどいオッサンからもう卒業したと思っているし、Twitterでもリプライするときに「この言葉ってキモくないか」と細心の注意を払いながらツイートボタンを押しているけれど、時々もう存在自体が「しんどいオッサン」なんじゃないかと思うと暗い気持ちにまでなってしまう。

この記事を書きあげる2日前、友人にしんどいオッサンメールのお手本のようなものを見せてもらった。
どうもしんどいオッサンは、日本のそこかしこに生息しているらしい。

なぜ、こんなにしんどいオッサンが多いのか。

 

しんどいオッサンは情報化社会が生み出したモンスター

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しんどいオッサンは、墓場のゾンビのように急に湧いてきたのか、それとももともといたのか…どうもしんどいオッサンは「情報化社会が生み出したモンスター」ではないかという自分なりの結論に至った。

1980年代までは、連絡手段といえば固定電話のみで、好きな女性に電話するときにはいかに「親ブロック・旦那ブロック」をかいくぐるか苦心したものだ。

しかし1990年代になると、ポケベルが全盛期を迎え、これまで親や他人の目を気遣いながらしていた連絡が、誰の目をはばかることなく個人間でできるようになり、さらに今ではメールやLINE、TwitterにFacebookとありとあらゆる手段で個人でつながることができる世の中になってしまった。


「~~ちゃん😊今日も綺麗だね✨いま何してるの??また会いたいなあ…😅ねぇ今度一緒に沖縄に行こうよ🛫」
という言葉が通用するのは、キャバクラやスナックといった甘い夜の閉鎖的な空間のみなのだ。


バブルの絶頂期に大金を片手に遊んでいたしんどいオッサンたち…次に手に入れたのは、無料で誰とでも繋がれる「SNS」だった。

夜の閉鎖的な空間のみで通用していた言語が、一般社会にあふれ出たときそれはただただ迷惑な言葉なのである。


単純接触効果は役に立たない


「単純接触効果」という言葉をご存じだろうか。

はじめは興味がなかったり、苦手なものでも、何度も見たり聞いたりするといい印象にかわっていくのが単純接触効果である.

いわゆる「イヤよイヤよも好きのうち」というやつだが、「イヤよイヤよはイヤなのよ」であり、全く逆効果である。

キモいものはキモいのである。
Facebookで律義にコメントしてくるしんどいオッサンは、単純接触効果を信じすぎている。

しんどいオッサンがやるべきことは、自撮りをせっせとSNSに投稿するのでもお気にの女性に律義にしんどいコメントを投稿するのではなく、実生活で圧倒的な仕事の成果を残すことなのだ。


メールやSNSでのあいさつはあいさつではない

「あいさつをしましょう」というけれど、あいさつは対面でするからこそあいさつであり、いつでも見られる文字情報のあいさつは、あいさつではない。

いちいち画面を開いて、文章を打って、チェックして送信。対面だとほんの数秒で終わるあいさつだが、しんどいオッサンにメールひとつを返すにもこんなに手間がかかるのだ。

ただでさえ、新しい価値観や情報がどんどん押し寄せ、必死に食らいついていかないと引き離される今日では、しんどいオッサンの相手をしている時間も若者にとっては惜しいのだ。

それにコメントの返信やリプライをもらえないことに腹を立てたり拗ねたりしている場合ではない。
相手が返しやすいコメントになっているか、コメントを返してくれるのに相手の時間を使っているという自覚を持つべきだ。

 

日本が暮らしやすい社会になるために変わらなければならないのは「しんどいオッサン」である

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かつて日本経済をけん引してきたオッサンたち。
そして、その足を引っ張っているのも「しんどいオッサン」たちではなかろうか。

女性は婚活に育児に仕事に…男性以上に忙しい。
未婚であれば「まだ結婚しないの?」と言われ、結婚したら「子どもはまだ?」と言われ、無事に子どもを授かっても「こんな大事な時に妊娠しやがって」と言われる。

さらに育児に仕事にとなれば、身も心も消耗しない方がおかしいのである。

ただオッサンたちも生きづらい世だ。新しいやり方についていけず、社内で無用の存在になってしまったり、上司に呼び出されて行ったらリストラの通告…。

しかし、今の日本の社会のルールを作ったのは他ならぬ「しんどいオッサンたち」なのである。

過去のやり方はもう通用しない。
過去の栄光と新しい価値観を否定するよりも、新しい価値観に早く順応すべきである。

しんどいオッサンよ、今こそ変わろうではないか。

 

<追記>

”おじさんなんて、私が十代のころに想像したよりも、ちょっとつつけば100倍みっともない姿を晒す生き物だから。でも、20代の私が想像したよりも、もしかしたら100倍魅力的な言葉を紡げる生き物かもしれなくて、30代の私が今想像しているよりも、私は彼らをずっと深く愛せるのかもしれないと思った。”

作家 鈴木涼美さんは著書『おじさんメモリアル』でこうつづっている。

機会があったらぜひ読んでいただきたい1冊だ。