(フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)モデル 大川竜弥)
こんにちは、日本史に詳しい和歌山ブロガーきゃろたまです。
大河ドラマ『おんな城主直虎』第16回では、百姓たちが綿花(木綿)の栽培をはじめる様子について描かれていました。戦国時代は、現代と違い衛生環境も悪く、また戦や栄養不足により、今よりも平均寿命も短かったのです。
織田信長が愛した「敦盛」の舞には「人間50年」と謡われていますよね。
また、度重なる戦で男手が足りませんでした。
さて、第16回の放送では「人手が足りないから村の百姓は貸せぬ」と瀬戸村への協力を断られました。そこで思いついた策が「人を買うこと」でした。
人を売り買いするだと??何たることだ!!
と思った人もいるでしょう。
しかし戦国時代、戦で攻めとった村の人々を市場で売買するという社畜も真っ青な光景があったのです。
では、今回は「人も売買された」戦国時代のお話をします。
負けたら悲惨!戦国の村々
戦の慣習として人を生け捕ったり、生け捕った人を市場で売買される様子について、『雑兵たちの戦場~中世の傭兵と奴隷狩り』でくわしく解説されています。
戦国の合戦といえば、桶狭間の合戦や関ヶ原の合戦など、戦国武将の勇ましさがドラマでも描かれていますよね。
その一方では、武将に付き従った足軽などの「雑兵(ぞうひょう)」は戦の時にどのようにしていたかというと、攻め入った村々の田畑を荒らしたり、村人を生け捕りにしたり、家の中にある金品を略奪したりしていたんですね。
こういった現象は日本各地で見られました。そして、雑兵たちのリーダーである武将たちもほぼ黙認状態だったんです。
大河ドラマ『おんな城主直虎』のなかでも、「人を買うことができるのは戦の後だ」という話がありましたよね。
ですので、戦はおたがいの殺し合いだけでなく、人も物も奪い合いということになるのです。
捕まった人を返して欲しければお金を払わなければならなかった
もしあなたの親戚や子どもが敵に生け捕りされて、どこかに連れて行かれたとしましょう。そして、運よく見つかりました!
ああよかった!!
しかし!タダでは返してくれなかったのです。
お金を払わなければ返してもらえなかったのです。いわゆる身代金目的の誘拐と同じですね。
『雑兵たちの戦場』のなかでは、人買い相場は約2貫文(2000文)とされています。
現在のお金に換算してどれくらいかといいますと、1文約80円とすると、約16万円ということになります。
(参考資料:戦国時代の貨幣の単位換算 現代であれば、1万円=(1,000円×10)=(100円×100)=(10... | レファレンス協同データベース)
しかも日本国内だけでなく海外へも連れて行かれた
戦国時代後期に鉄砲とキリスト教が伝来すると、スペインやポルトガルの人々も日本へ往来するようになり、南蛮貿易が行われるようになりました。
ヨーロッパは大航海時代のまっただ中。日本の市場で取引されていた日本人を、ポルトガル船に乗せてマカオやへ連れ出していたのです。
のちに豊臣秀吉は、バテレン追放令を出し、日本人を買って連れ出すことを禁止しました。
いかがでしたでしょうか。
会社で飼い慣らされてしまい、自分の意志と良心を放棄した社員のことを「社畜」と呼ばれています。
戦国時代は、リアルに人に金額がつけれられて市場で売り買いされていたのです。
人を不当にこき使うという行為は、人間にあらかじめ組み込まれた遺伝子なのかもしれませんね。
ではでは。