きゃろたんぬの小窓

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前例なき事へのチャレンジ~『熱狂宣言』

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100店舗100業態達成、そしてその先へ

本書の主人公 株式会社ダイヤモンドダイニング代表松村厚久氏 は飲食業界で不可能と言われてきた「100店舗100業態」を2010年10月に達成した。

 

 

通常飲食店は、食材ロスや経営の効率化を考えて、業態を絞り、全国に多店舗展開を図る。 そして飲食店経営は1店舗目から2店舗目に拡大する時が一番ハードルが高いのではないかとわたしは考える。

なぜなら、本店で出されている料理の味やサービスを確保できるのか、いくらマニュアル化されても、人がなすことなので微妙な時間や違いで味は変化するし、なにより2店舗目を運営するだけの人材の確保もせまられる。

飲食業界に関わる人なら誰もが「無理だ」と言う「100店舗100業態」を達成した松村氏の「熱狂」をノンフィクション作家の小松成美氏が書き下ろした。



松村社長の魅力がたっぷり詰まった1冊

第1章は松村氏が小松氏に病気を告白するところからはじまる。社員、仕事仲間や友人にも明かしていなかった「若年性パーキンソン病」告白を受け執筆を躊躇う小松氏とは対照的に松村氏の出版への熱い想いが綴られている。

わたしが一番好きな章は第5章。とくに「安田久の証言」は松村氏の愛の深さを知るエピソードだ。

人が困難に直面した時、今風に言えば「もうあいつはオワコンだ」といってその人から去って行く人も多いだろう。安田氏は2000年初頭にテレビ番組「マネーの虎」に出資者として出演、一世を風靡した。

「松村君って、人や立場で差別をしない男なんですよ。上場したからって威張らない。倒産したって蔑まない。それが、彼の魅力だと思う。」(293ページから引用)

この言葉が松村氏が誰からも愛される人柄であることがわかる。



病気になんか負けていられない

わたしももう10年ほども前になるが、心身ともに病んでしまった。毎日「死にたい死にたい」と思う日々。松村氏の病気に比べれば、取るに足らない病気だけれど、『熱狂宣言』に出会ってからはもっと自分を奮い立たせなきゃ!とそういう気持ちになった。

ダイヤモンドダイニングの創業から株式上場、100店舗100業態からさらなる飛躍・・・
松村氏の熱狂の軌跡とこれからが一気通貫で体感できるオススメの1冊である。